ボタンとガラスの店 menofli (メノフリ) menofli (メノフリ)は、世界各国の希少性の高いヴィンテージ、アンティークボタン・チェコガラスボタン・ガラスストーンを通販で取り扱うwebショップです。海外製ならではのおしゃれなボタンや、ガラスが醸し出す高級感のあるパーツは、ハンドメイドの洋服・ピアスやイヤリングなどのアクセサリー・コスチュームジュエリー・雑貨の資材にもおすすめです。

美しすぎる!呪いのガラスの壺?ポートランドの壺とは

こんにちは。ガラス製品とボタンを取り扱うwebショップ menofli.の伊藤でございます。

 

本日は、あまりの美しさに魅了される人続出!な「ポートランドの壺」についてのお話です。

サクッと気軽にお読みいただけますので、コーヒー片手にお楽しみください。

 

 

 

カメオ・ガラスの最高傑作 ポートランドの壺

 

ポートランドの壺 大英博物館所蔵
British Museum / CC BY

※WIKIMEDIA COMMONSよりお借りしております
 

古代ローマ時代に作られたガラス製品の最高傑作に数えられる作品、「ポートランドの壺」をご存知でしょうか。
 
被せガラスによる絶妙な陰影の表現はまさに当時の技術の粋と言えるでしょう。
 
壺部分は不透明な黒に見えますが、実際には濃い青色を呈しております。
見る角度によって光の透過も確認でき、幻想的な雰囲気を醸し出します。
 
現在はイギリスの大英博物館で展示が行われております。
この情勢ですので中々見ることは叶わないかと思いますが、是非肉眼でその美しさを見てみたいものですね。
 

 
 

製作年と作者

 

この作品は紀元前1世紀から後1世紀の間に作られたと言われています。
日本でいうと縄文時代の頃です。
  

また、「ポートランドの壺」の作者は不詳です。 
 
話がやや脱線しますが、
作品に作者や工場の刻印を残すことは、この頃まだ確立されていなかったそうです。
 
そのため、古代のガラス作品はどこの誰が作ったのかははっきりしていません。
(ガラス成分の化学的な分析によって、製作地を推し量ることは昨今の技術によって可能ですが。)
 
丁度この作品が作られた少し後の頃から、
「メゲス製」「フロンチニアーナ工場製」
といった名前を型出しで銘記した作品が少しずつ現れてきたそうですよ。

 

 

 

 

ポートランドの壺は呪いの壺?

 

 

この壺はかなり曰く付きの壺で、
手に入れたものは財産を失うという運命
にあったそうです。
 
 
1518年に古い墓の棺の中からこの壺が発掘されました。
当時の枢機卿(カトリック教教皇の最高顧問)が保有しておりましたが、
その子孫がカードでスッたことにより財産を失ったため泣く泣く売却
(理由がなんとも…)
 

 

 

これを皮切りに
ローマ在住イギリス人、ナポリのイギリス大使と所有者が移りましたが
どちらも財を失い売却という運命を辿っています。
 

  
その後英ポートランド公爵夫人の手に渡り、美術館にて展示されていたそうです。
ですがなんとその後美術館が破産します。
 
当時のお金持ちは金遣いが荒すぎる傾向があったのかも…という考え方もできるのですが、
ここまで来るといよいよ本格的に危ない壺なのでは…という気がしてきますね。
 
ちなみにアメリカにポートランド美術館が現存しますが、その美術館とは別です。
 

 

 
ポートランド公爵夫人が亡き後、壺を相続したポートランド公も困窮し、
とうとう大英博物館へ寄託することに。これが1810年のことだそうです。
 
  
 

これで一件落着…と思いきや

 
 

この壺の受難は終わりませんでした。
 
 

なんと大英博物館展示中に、壺が木っ端微塵に破壊されるという始末。
美しすぎるのは罪と言いますか、本当にとんだお騒がせの壺ですね…。壺は悪くないですが…。

 
 

1845年の2月のことでした。
当時美術館を訪れていた学生は、この壺を見て突然に怒りを感じ、
近くに展示されていた青銅刀を持って、ガラスケースごと破壊したのだとか。
まさに微塵状態になってしまったので復元に長い歳月を要しました…。
 

その間は、陶器で有名なウエッジウッドが模造したものが代わりに展示されていたそうです。
復元作業にも大いに貢献したとのことで、模造してくれた方がいて本当に良かった…。
なお、この模造品はイギリスのウェッジウッド・ミュージアムで展示されているそうです。
 
 
 
当時学生は泥酔状態だったとも言われていますが、
何でしょう、この壺の顛末を知ってから事件を知ると
どうもただの酔っ払いの凶行には思えないような気がしてくるのは私だけでしょうか…。
 
 
ちなみにこの話にはオチがあって、
この学生は3ポンドの罰金で済んでしまったというから大変な驚きです。
500円もしないくらいですね。
当時の法律、恐るべし…。
 

 

 

 
カメオモチーフのガラス商品のご紹介

 

最後に当店「ボタンとガラスの店 menofli.」でも取り扱いのあるカメオモチーフのガラス製品紹介です。
 

チェコスロバキアで作られた、ブローチのような見た目のガラス製ボタンでございます。
およそ1950-1960年代に製作された作品です。
 
ずっしりと重量感があるため、服を留めるよりもブローチのように装飾として使うか、
あるいは観賞用となります。
 

ポートランドの壺を飾って、満足げに見つめていた富豪達のような気持ちになれる…かも!?
 
あっ、もちろん、ポートランドの壺のような呪いはありませんので、ご安心ください!

 

 

ピンクのカメオ ブローチ風 チェコガラスボタン

黒カメオ ブローチ風 チェコガラスボタン

 

 

 
さて、各地で35度超えの本当に暑い日が続きますが
体調にはくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ。

また次のブログでお会いしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
menofli. 伊藤
 

 

(参考)今回の記事を執筆するにあたっての参考文献

 

咲花済夫編『ガラスの百科事典』朝倉書店,2007年

ヴィンテージボタン・ガラスボタン・グラスストーン専門店│menofli. (メノフリ)

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