ガラス発見の物語! プリニウスの博物誌
椎名_417さんによる写真ACからの写真
※画像はイメージです
こんにちは。ボタンとガラスの店 menofli.でございます。
当店は不定期でボタンやガラスについてのちょっと興味深いお話を連載しています。
本日はガラスが初めて見つかった時の短いお話を一つご紹介。
キャンプでたき火を囲んで、温かい飲み物を飲みながらお喋りするひと時…
そんなイメージをしながら読んでいただければ嬉しいです。
目次
摩訶不思議な物質、ガラス
ガラスは透明でいて、熱するとどろどろに溶けます。
また、高いところから落とすとパリンと割れてしまいます。
また、科学的な観点から見ても特殊な物質だそうで、
個体と液体の中間のような性質を持っているそうです。
氷と同じようにかたい物質であるにもかかわらず、ガラスは固体と液体のさかい目にあるような物質なのです。
さてそんなガラスですが、初めて見つかった時の物語が『博物誌』の中で語られています。
透明な物質は、水や氷のほかには自然界にあまり多くありませんから、見つかった時はさぞかし驚いたのではないでしょうか…。
プリニウスによる百科全書、『博物誌』
『博物誌(ラテン語: Naturalis Historia)』は古代ローマ時代の軍人であり博物学者のガイウス・プリニウス・セクンドゥスが著した百科全書です。
全37巻からなり、天文、地理から植物、薬草、鉱物、絵画などのあらゆる文化のあらゆる知識についてふんだんに盛り込まれた、まさに百科全書です。
ちなみに、ドラゴンやユニコーンなど現実には存在しない生き物も記載されているため
この後ご紹介するお話もあくまで物語としてお読みいただければと思います。
ガラス発見物語
この物語は『博物誌』第36巻第65項に記載されています。
登場人物は「フェニキア人」。
現在のレバノン辺りの人々を古代ギリシャ人がこのように呼んだそうです。
彼らは地中海貿易で大活躍し、現在のアルファベットの母体となる「フェニキア文字」を完成させたのも文字通り彼らです。
さて、ある日フェニキア人は海上貿易を通して、天然ソーダを一隻の船に沢山積んでフェニキアに帰ってきました。
(ちなみに当時、天然ソーダは洗濯などに使われていたそうです。)
船員たちは川にほど近い砂州に上陸し、食事の用意にかかります。
しかしこの海岸は砂州なので辺りには砂しかなく、鍋を乗せるのに使えそうな石がありませんでした。
そのため彼らは船から天然ソーダの塊を持ってきて、その上に鍋を乗せました。
鍋の下で薪を燃やしているうちに、なんと透き通った液体が流れだしたのです!
こうして、ソーダと砂を混ぜて加熱するとガラスができるということが偶然発見されたのでした…
めでたしめでたし。
たき火をしていて突然どろっとした透明な液体が流れだしたら相当びっくりしますよね…
この液体の有用性がどのように見出されて生活用品などに使われるようになったのか、
そのストーリーに思いを馳せるのもまた楽しいものですね。
ちなみにこの「博物誌」、扱っている内容が内容なだけに幻想文学にも多大な影響を与えたそうです。
ご自身のブランドをお持ちの方は、その世界観の醸成に役立つ一冊かと思われます。
読みやすく編集されたものもあるようですので、ぜひ一度お読みになってはいかがでしょうか?
次回もぜひお読みくださったらうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
menofli.
参考文献
A.P.D.サトクリッフ『エピソード科学史〈1〉化学編』社会思想社, 1971年
作花済夫編『ガラスの百科事典』朝倉書店, 2007年
関連情報
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